文学座

 
戌井 市郎 [1916−2010]   
 

いぬい いちろう

1916年京都生まれ。1937年文学座創立に参加。
久保田万太郎から引き継いだ『女の一生』を始め、『華々しき一族』『怪談牡丹燈籠』『華岡青洲の妻』『ふるあめりかに袖はぬらさじ』など杉村春子の名舞台を演出。
その長い演劇活動は多岐にわたり、新派での『鹿鳴館』、歌舞伎では『源氏物語』『天守物語』などを演出。


【受 賞 歴】
1952年 大阪府民劇場賞(『退屈な時間』)
      大阪市優秀賞(『しんしゃく源氏物語』)
1954年 第6回毎日演劇賞(『島』『退屈な時間』)
1961年 名古屋ペンクラブ賞(『女の一生』『陽気な幽霊』)
1982年 紫綬褒章
1987年 勲三等瑞宝章
1997年 日本芸能実演家団体協議会より芸術功労者表彰
2003年 第2回朝日舞台芸術賞特別賞
      第31回日本新劇経営製作者協会賞
2008年 第15回読売演劇大賞 芸術栄誉賞
      第29回松尾芸能賞特別賞



→アルバム
 
 

■ 文学座での演出作

    
1939年『プウセット』 作:シャルル・ヴィルドラック 翻訳:内藤櫂
『蛍』 作:久保田万太郎
『旧友』 作:エドモン・セエ 翻案:辰野隆
『赤鬼』 作:阪中正夫
『心ごころ』 作:久保田万太郎
1940年『瀬戸内海の子供ら』 作:小山祐士
『驟雨』 作:岸田國士
1941年『夢』 作:内村直也
『彌太郎源七』 作:久保田万太郎
『春雷』 作:伊藤章三
『結婚の申込み』 作:伊賀山昌三
1942年『洋杖』 作:飯沢匡
1943年『松花江の月』 作:真船豊
『部屋の中』 作:梅本重信
『ル・シッド』 作:コルネイユ
『寿の町』(演出助手) 作:田口竹男 演出:久保田万太郎
『田園』(演出助手) 作:真船豊 演出:真船豊
『ほとけ』 作:栃沢冬雄
1944年『怒濤』(演出助手) 作:森本薫 演出:久保田万太郎
『鳥獣合戦』 作:飯沢匡
『棒押し』 作:亀屋原徳
1945年『太平洋の防波堤』 作:八木隆一郎
『女の一生』(舞台監督) 作:森本薫 演出:久保田万太郎
『海の音』 作:中江良夫
『山がら物語』 作:北条秀司
1946年『冬』 作:久保田万太郎
『ゴールデン・ボーイ』 作:クリフォード・オデッソ
『浦島と乙姫』 作:武者小路実篤
『村で一番の栗の木』 作:岸田國士
『或る女』(演出助手) 原作:有島武郎 脚色:久保田万太郎 演出:久保田万太郎
『女の一生』(演出助手) 作:森本薫 演出:久保田万太郎
『商船テナシティー』 作:シャルル・ヴィルドラック 翻訳:山田珠樹
1947年『孤客』 作:モリエール 翻訳:辰野隆
『月』 作:久保田万太郎
『にんじん』 作:ジュウル・ルナアル 翻訳:山田珠樹
1948年『1に12をかけるのと12に1をかけるのと』 作:久保田万太郎
『夢を喰う女』(演出助手) 作:野上彰 演出:岸田國士
『雲の涯』(演出助手) 作:田中千禾夫 演出:岩田豊雄
『女猿』 作:田中千禾夫
1949年『悪女と眼と壁』 作:田中澄江
『わが町』(演出助手) 作:ソーントン・ワイルダー 翻訳:森本薫 演出:長岡輝子
『速水女塾』(演出助手) 作:岸田國士 演出:久保田万太郎
『ルリュ爺さんの遺言』 原作:マルタン・デュ・ガアル 翻訳:堀口大学 方言化:阪中正夫
『かくて新年は』 作:森本薫
1950年『ナンジャとモンジャ』 作:三津田健
『華々しき一族』 作:森本薫
1951年『武蔵野夫人』 作:原作:大岡昇平 脚色:福田恆存
『シラノ・ド・ベルジュラック』 作:ドモント・ロスタン 翻訳:辰野隆/鈴木信太郎 (長岡輝子と共同演出)
『稲妻』 作:真船豊
1952年『マリウス』 作:マルセル・パニョル 翻訳:永戸俊雄
『ファニー』 作:マルセル・パニョル 翻訳:永戸俊雄
『セザール』 作:マルセル・パニョル 脚色:久保田万太郎
『しんしゃく源氏物語』 作:榊原政常
『退屈な時間』 作:森本薫
1953年『島』 作:川口一郎
『富島松五郎伝』 原作:岩下俊作 脚色:森本薫
『思い出を売る男』 作:加藤道夫
1954年『どん底』(演出助手) 作:マクシム・ゴーリキイ 翻訳:神西清 演出:岸田國士
『奇妙な幕間狂言』 作:加藤道夫
『探偵物語』 作:シドニー・キングスレー 翻訳:菅原卓
1955年『欲望という名の電車』(演出助手) 作:テネシー・ウイリアムズ 翻訳:田島博/山下修 演出:川口一郎
『葵の上』 作:三島由紀夫
1956年『絵姿女房』 作:矢代静一
『明暗』 作:福田恆存
『Kの死』 作:谷川俊太郎
1957年『綾の鼓』 作:三島由紀夫
『明智光秀』(演出助手) 作:福田恆存 演出:福田恆存
1958年『国性爺』 作:矢代静一
1959年『船の挨拶』 作:三島由紀夫
『ニーナ』 作:アンドレイ・ルッサン 翻訳:鈴木力衛/和田誠一
『祇王村』 作:田口竹男
1960年『鼬』 作:真船豊 (鈴木邦雄と共同演出)
『陽気な幽霊』 作:ノエル・カワード 翻訳:鳴海四郎
『翁家』 作:田口竹男
1961年『バイオリンを持つ裸婦』 作:ノエル・カワード 翻訳:林克己/松原正
1962年『光明皇后』 作:有吉佐和子
『守銭奴』 作:モリエール 翻訳:鈴木力衛
1963年『トスカ』 作:ヴィクトリアン・サルドゥ 翻訳:安堂信也 潤色:三島由紀夫
『雨空』 作:久保田万太郎
『萩すゝき』 作:久保田万太郎
1964年『三人姉妹』 作:アントン・チェーホフ 翻訳:神西清
『髪』 作:人見喜久彦
1965年『友絵の鼓』 作:人見喜久彦
『かもめ』 作:アントン・チェーホフ 翻訳:神西清 翻訳補:池田健太郎
『おりき』 原作:樋口一葉 脚色:久保田万太郎
『十三夜』 原作:樋口一葉 脚色:久保田万太郎
『大つごもり』 原作:樋口一葉 脚色:久保田万太郎
1967年『大寺學校』 作:久保田万太郎
1968年『津和野』 作:人見喜久彦
1969年『富島松五郎傳』 原作:岩下俊作 脚色:森本薫 補訂:戌井市郎
1970年『華岡青洲の妻』 作:有吉佐和子
1971年『にごりえ』 作:水木洋子
1972年『ふるあめりかに袖はぬらさじ』 作:有吉佐和子
1973年『七本の色鉛筆』 作:矢代静一
『おさい権三』 作:水木洋子
『女の一生』 作:森本薫 補訂:戌井市郎
1974年『怪談 牡丹燈籠』 原作:三遊亭円朝 脚色:大西信行
『天守物語』 作:泉鏡花
1976年『開化草紙 電信お玉』 作:大西信行
1977年『女たち』 作:大西信行
1978年『道化と愛は平行線』 作:矢代静一
1979年『もず』 作:水木洋子
『丸山蘭水楼の遊女たち』 作:井上光晴
1980年『乱−かな女覚え書−』 作:宮本研
1981年『肥前風土記』 作:田中千禾夫
『新釈 金色夜叉』 作:宮本研
1982年『新編 吾輩は猫である』 作:宮本研
1983年『横濱物語』 作:八木柊一郎
1984年『続・二号(補)』 作:飯沢匡
1987年『遊女夕霧』 作:川口松太郎
1988年『好色一代女』 作:八木柊一郎
1989年『宵庚申思いの短夜』 脚本:戌井市郎
1990年『出雲の阿国』 原作:有吉佐和子 脚色:石川耕士
1991年『好色一代男』 作:八木柊一郎
1992年『唐人お吉ものがたり』 作:山本有三 補訂:戌井市郎
1993年『夜のキャンヴァス』 作:江守徹
1997年『柘榴のある家』 作:八木柊一郎
2001年『阿蘭陀影絵』 作:金子成人
2004年『風の中の蝶たち』 作:吉永仁郎
2005年『毒の香り』 作:星川清司
2008年『風のつめたき櫻かな ‐久保田万太郎作品集より‐』 作:平田オリザ
2010年『麦の穂の揺れる穂先に』 作:平田オリザ



■ 文学座以外での主な仕事など



―編集中―




<著作>
芝居の道―文学座とともに六十年  芸団協出版部

 
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