《アラビアン ナイト》2002年公演は終了いたしました。
劇場においでいただいた方、応援してくださった皆様、ありがとうございました。

2003年は3月29日〜4月6日全労済ホール/スペース・ゼロにて上演いたします。


2002年文学座 ファミリーシアター

アラビアン ナイト

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脚色 ドミニク・クック |
鴇澤 麻由子 | 音楽 芳垣 安洋
演出 高瀬 久男 | 高良 久美子
 
2002年7月29日(月)〜8月7日(水)

こどもの城 青山円形劇場
03−3797−5678
(表参道駅B2出口3分/渋谷駅東急文化会館口10分)

公演情報 配 役 どんな舞台? チケット最新情報
:出演:
三木 敏彦・早坂 直家・大原 康裕
沢田 冬樹・浅野 雅博・粟野 史浩・木津 誠之
山本 道子・名越 志保・目黒 未奈・大野 容子・山田 里奈

:演奏:
芳垣安洋・高良久美子・太田惠資

:スタッフ:
美術 …… 島 次郎 | 舞台監督 …… 寺田 修
照明
……
中山 奈美
| 演出補 …… 田 俊哉
衣裳 …… 出川 淳子 | 制作 …… 伊藤 正道
振付 …… 新海 絵里子 | 矢部 修治
音響効果
……
斉藤 美佐男
| 票券 …… 最首 志麻子


【 公演情報 】
2002年
29 30 31
開演
時間
12:00 - - 売切 - - 売切 - 売切 - -
13:30 - 売切 - 売切 売切 - 売切 - 売切 売切
17:00 - - - - 売切 - 売切 - -
18:30 売切 - - 売切 - - - - 売切 -

料金


前売・電話予約5,500円
学生3,800円/小・中学生2,800円
※1 一般券以外の扱いは文学座でのみ取り扱い
※2 未就学のお子様のご来場はご遠慮願っております

特典 このチケットで、ご観劇当日『こどもの城』の入館が無料になります
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【 配 役 】
三木敏彦 ワジール/盗賊の頭/死刑執行人/船乗りのシンドバッド/
祭司/ハルン・アル・ラシッド/大臣/老人
早坂直家 シャハリヤール/偉い人/王
大原康裕 ババ・ムスターファ/仕立て屋/死刑執行人/
叔父/王/パン屋/庭師
沢田冬樹 アブダーラ/コック/荷かつぎのシンドバッド/
敵/幽霊/シディ1
浅野雅博 アリ・ババ/医者/商人2/友人/
蛇/シディ2/バーマン
粟野史浩 奴隷/カシム/商人/商人1/
アブ・アサン/人食いお化け/ファルーズ
木津誠之 アリ・ババの息子/乞食/商人3/托鉢僧/
ライオン/人食いお化け/料理人
山本道子 俳優1/カシムの妻/医者の妻/王/
叔母/母親/客2/庭師の妻/老婆
名越志保 女王/モルジアーナ/仕立て屋の妻/
見張り人/結婚斡旋人/客1/長女
目黒未奈 シャハラザード/末っ子/鳥
大野容子 アリ・ババの妻/警察署長/
花嫁/アミナ/次女
山田里奈 ディーナザード/薬屋/召使い/
小姓/少女/魔女娘/ファリザード
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【どんな舞台?】
『アラビアン・ナイト』のこと
西江 雅之

 「イフタフ ヤー シムシム!(開けゴマ)」
 アリ・ババの真似をして、舞台に向かって、こう呪文を唱えてみましょう。すると幕が開き、舞台の上に不思議な世界が現れます。『アラビアン・ナイト』が始まるのです。
  この昔話の元の題は、アラビア語で、“エルフ ライラ ワ ライラ”、すなわち“千一夜”です。そんな風変わりな題名が付けられたのには、次のようないきさつがありました。
  シャフリヤール王は、自分の奥さんの裏切りを許せず、その恨みをはらすために、毎日毎日、新しい奥さんを迎えては殺してしまうという、恐ろしいことを始めたのです。
 ワジールとは、アラビア語で大臣という意味です。あるワジールに、シャフラザードというとても賢い娘がいました。シャフラザードは、王様が本当はそんなに悪い人間ではないことを知っていました。そこで、そんな残酷な行いをやめさせようと、自分から進んでシャフリヤール王の一日だけの奥さんになることを、父に申し出ます。
 城に召された夜、シャフラザードは、王様のそばで得意の物語を語り始めます。面白くて珍しい話が次から次へと続き、王様は、夜が明けてもシャフラザードを死刑にすることができません。その晩もまた、話の続きを聞きたくて仕方がなくなってしまうからです。
 千一夜も続いた長い長い物語を、舞台の上で再現するには、どれくらいの月日がかかるでしょう。皆さんが、舞台で見聞きするのは、その中のほんのいくつかの話です。
  この長い物語は、一人の著者が考えて書き残したものではありません。古いものは千年以上も前に、すでに人々の間で語り伝えられていた話です。その中には、アラビア語だけではなく、インドやペルシャの言語を通じて伝わったものも多く見られます。たとえば、この物語の主人公シャフラザードも、舞台で大活躍する海の大冒険者シンドバードも、その名前自体がペルシャのものなのです。
 この本をヨーロッパ世界に広めたのは、フランス人のアントワーヌ・ガランという人です。ガランによって、アラビア語からフランス語への訳本(1703年から、全12巻)が出された後、多数の『アラビアン・ナイト』の本が現われました。なかでも、エドワード・レーンの英訳本(1839年から、全3巻)、リチャード・バートンの英訳本(1885年から、全16巻)、ジョゼフ・マルドリュスのフランス語訳本(1899年から、全16巻)は、最も有名になったものです。あとの時代になって発表された大人向きの本、子供向きの本、映画、演劇などのほとんどは、これらの訳本を参考にして書かれています。
 『アラビアン・ナイト』が日本に紹介されたのは意外に早く、明治8年(1875)のことです。永峯秀樹(ながみね・ひでき)という人が、英訳本から訳した『開巻驚奇暴夜物語』(かいかん・きょうき・アラビア・ものがたり)を世に出したのです。“暴”と “夜”の二字で、“アラビア”と読ませようと苦労したのですね。現在の日本の漢字では“亜剌比亜”、中国語では“阿拉伯”と書きます。
 『アラビアン・ナイト』の話の舞台は、アラビア、ペルシャ(現在のイラン)から地中海、インド、中国にまで広がります。アラビア人だけではなくて、ヨーロッパ人、アフリカ人、東洋人も登場します。主人公たちの身分、職業、性格なども様々です。そして、砂漠の冒険、海の冒険、大小さまざまな事件の中で、人間の運命、幸福や不幸、正義や悪、善意や裏切りといった、あらゆる人間模様が織り成されることになるのです。『アラビアン・ナイト』は、当時のアラビア人が持っていた現実と空想の世界がすべてぎっしりつまった物語なのです。
 わたしは、話の舞台となった土地の多くを訪れたことがあります。特に東アフリカの沿岸の島々を訪ねたときに見た深い青色の海、静まりかえった椰子(やし)の林、月明かりの下を舞う大コウモリ、白い衣をまとったイスラム教徒の男たちがあつまるモスク、街の迷路のような路地裏で出会う色鮮やかな島の女たちの服装など、今でもはっきりと目に浮かびます。旅の途中で、わたしは何度となく、時空を超えてアラビアンナイトの世界に迷い込んだような気持ちになったものでした。
 『アラビアン・ナイト』には、不思議な出来事に出会った驚き、わくわくするほどの嬉しい驚き、身の毛がよだつような恐ろしい驚き、あらゆる種類の驚きが、次々に姿を現します。そして、その驚きの中に、物語の聞き手は、それまでは気づかなかった何か大切なものを発見するのです。大人には大人向きの、子供には子供向きの、不思議な世界を見つけるのです。
 さあ、いよいよ『アラビアン・ナイト』の始まりです。お話の中身は見てのお楽しみに。
  “イフタフ ヤー シムシム!”

 (文化人類学者)
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 大きな岩に取り付けてある戸の前に立って、「ひらけ、ゴマ!」と唱えてみました。とたんに、戸はさっと開きました。中は丸天井の付いた広間のようになっていて、そこには、あらゆる金銀財宝が山のように積まれていました。
 アリ・ババは、三頭のロバに金貨の入った袋を積んで、だれにも見られぬように、たきぎをその上に乗せました。そうしておいてから、また戸の前に立って、「とじよ、ゴマ!」と唱えると、戸はさっと閉まりました。そして、アリ・ババは、すぐさま町へ引き返しました。

 まだ少年少女の頃、こんな場面にはらはらどきどき、胸踊らせたことはおありでしょうか。言わずと知れた「アリ・ババと四十人の盗賊」。そのほかにもランプをこすると現われる大魔人や空飛ぶ絨毯、船乗りシンドバットの冒険譚などに夢中になった頃を懐かしく思い出される方も多いことでしょう。これらの物語の原典、集大成が『千夜一夜物語』――『アラビアン・ナイト』です。そして今回、劇団初の試みである<文学座ファミリーシアター>の第一弾に、現代版の脚色による『アラビアン・ナイト』を選びました。
 『アラビアン・ナイト』は、アラビア語で書かれた通俗文学作品のうちで世界中の人々に最もよく親しまれ、滅びぬ価値を認められている大説話集です。この話の起源はインドにあり、6世紀頃ササン朝ペルシアに伝えられ、『千物語』と呼ばれましたが、少なくとも8世紀末頃までにアラビア語に訳され、イスラム思想に色づけられて『千夜物語』となります。これにさらに、アラビア、イラク、シリア、エジプトなどに伝わっていた説話が加えられて、12世紀頃には『千夜一夜物語』と呼ばれるようになりました。最後の仕上げはカイロで行なわれ、そこのマムルーク朝が16世紀初めにオスマン・トルコ帝国に征服された頃には、大体現在のような形を整えていたらしいというのがもっとも有力な説です。
 このような歴史を辿る物語集が『アラビアン・ナイト』という書名で、ヨーロッパばかりか世界中の人々に読まれるようになったのは、フランスの東洋学者アントワーヌ・ガランがその原典の一つを手に入れて、1704年、フランス語に訳したのがきっかけです。この本が出版されると、たちまちヨーロッパ中で大歓迎され、その後、19世紀になると、ガラン訳のほかにフランス人マルドリュース、イギリス人レイン、スコット、バートンなどの、別の原典からの翻訳が次々に出て、『アラビアン・ナイト』は世界の共有財産になりました。日本でも、明治8年(1875年)に物語のいくつかが初めて翻訳され、以後大人向け、児童向けの翻訳が何種類も出るようになりました。
 『アラビアン・ナイト』には、ペルシアのシャハリヤール王の新しい妃となったシャハラザードが、千一夜かけて王に次々と物語を話した聞かせるという外枠が設けられていて、その中に様々な物語が組み込まれているのです。
 シャハリヤール王は、不貞をはたらいた妃を殺害しますが、それ以来、世の中の女すべてを憎悪するあまり、毎日新しい妻をめとっては翌朝処刑するという行為を繰り返していました。王の幼ななじみでもある大臣の娘シャハラザードは、女たちの命を救うために一計を案じ、自らすすんで王と結婚します。婚礼の夜、彼女は王に物語を話して聞かせ、夜明け近くに話がちょうど佳境に入ったところで打ち切ってしまい、続きは翌日の夜に話すことにします。毎夜おもしろい物語を話しては、翌日も王が聞きたがるように仕向けたのです。それが千一夜続き、最後には王も残酷な考えを改め、シャハラザードと幸福に暮らしました。
  青山円形劇場で7月29日に開幕する今回の『アラビアン・ナイト』は、ドミニク・クック脚色により1998年にロンドンのヤングヴィックシアターで初演され、大好評を博した作品です。この上演台本もまた「シャハリヤールとシャハラザードの物語」を中心に――
 「アリ・ババと四十人の盗賊」
 「ある乞食の物語」
 「船乗りシンドバッドの冒険」
 「アブ・ハサンが屁をした話」
 「ものを食べない奥さんの話」
 「妹をねたんだふたりの妹」
 といった七つの物語で構成されています。
  この七つの物語を、様々な小道具や人形などを巧みに使いながら、13人の俳優たちが入れ替わり立ち代り次々と演じていきます。楽器の生演奏による効果音やシンプルな音楽も楽しさを誘うでしょう。演出・高瀬久男のアレンジによって面白く、楽しく生まれ変わった素敵な音楽劇『アラビアン・ナイト』――小学生、中学生の皆様、ご家族とご一緒に是非、青山円形劇場まで足をお運びください。生の舞台の醍醐味を存分に味わってください。お待ちしています。
 ここからはやや余談となります。文学座が児童向けの劇を上演するのは、厳密に言えば初めてではありません。昭和23年からほぼ十年ほど、小・中学生を対象に「童話劇」と銘打ち、都内の学校を訪ねて出張公演をしていたことが「文学座史」に記録されています。久保田万太郎=作『北風のくれたテーブルかけ』(23年1月、成蹊高校講堂)が最初で、以後、芥川龍之介=作『三つの宝』、木下順二=作『三年寝太郎』、飯沢匡=作『王様は魔法がお好き』といった作品が上演されました。
 いずれもほぼ一日だけの小公演でしたが、どれにも文学座の主だった俳優たちが出演し、岩田豊雄・戌井市郎・松浦竹夫といった人達が演出を担当しています。こうした児童劇公演をも当時、いかに大切に考えていたかが伺われます。
 歴史は繰り返すとは言いません。今回の<文学座ファミリーシアター>はきちんとした劇場で大掛かりに行なわれる、文学座初の家族向けの公演だからです。でも、どこかにあい通じるものはありそうです。
 今も昔も変わらず、子供たちには、子供たちにこそ、大人の鑑賞にも十分に耐えうる本物の舞台を見てほしい。ゲームやテレビでは味わえない、成熟した演技と演出が醸し出す演劇の魅力を知ってほしい。そんな心からの願いを込めてファンタジックな音楽劇 『アラビアン・ナイト』をお送りします。
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 65年前、文学座は1937年に創立されました。その時の創立宣言で  外に向かっては、まず今まで劇場に縁遠かった現代の教養ある「大人」に呼びかけたい  とうたっています。以後私たちは、そのスローガンどおりに「大人向け」の芝居を創り続け、『女の一生』をはじめとする数多くの名作舞台を生み出してきました。
 そして今年、新しい時代、新しい世紀における演劇活動の方向を求める中で、文学座は新たな路線を打ち出そうとしています。その一つが「ファミリー」路線です。人と人との結びつきがますます薄れつつある現代、人と人との直接のコミュニケーションによって成り立つ演劇の重要性が再確認されようとしています。しかし、日本は欧米に比べて、演劇というものが生活の中に占める度合いはけっして高くありません。とくに子供たちの観劇のチャンスは極めて少ない。そうした日本で、幼少の頃から少しでも演劇に接する機会をつくるには、親と子が共に楽しめる舞台を提供するしかないのです。そんな思いを込めて文学座は親と子が共に楽しめる演劇≠キなわち「文学座ファミリーシアター」を誕生させました。
 その第1弾が、ドミニク・クック=脚色、鴇澤麻由子=訳、高瀬久男=演出『アラビアン・ナイト』です。劇団の総力を挙げて、新たなるジャンルに挑戦します。質の高い子供向けの芝居は、大人の方々にとっても、疲れた心を癒す妙薬になること請け合いです。
『アラビアン・ナイト』は「千夜一夜物語」とも呼ばれ、ペルシャ、インド、エジプトなどから数百年の間に集められた大説話集。アリ・ババ、アラジン、シンドバッドといったヒーローの名と共に懐かしく思い出される方も多いでしょう。
 ペルシャのシャハリヤール王の新しい妃となったシェーラザードが、千一夜かけて王に次々と物語を話して聞かせるという形式をとっています。
 シャハリヤール王は、不貞をはたらいた妃を殺害して以来、世の中の女すべてを憎悪するようになり、毎日新しい妻を迎えては翌朝殺害するという行為を繰り返していました。大臣の娘シェーラザードは人々の命を救うために一計を案じ、自らすすんで王と結婚します。
 婚礼の夜、彼女は王に物語を話して聞かせ、夜明け近くに話が佳境に入ったところで打ち切って、続きは翌日の夜に話すことにしました。王が翌日も聞きたがるように仕向けたのです。それが千一夜続き、最後には王も残酷な考えを改め、以後二人は幸福に暮らしました。その物語の中に先ほどのアリ・ババやアラジンが登場するのです。
 今回文学座が上演する『アラビアン・ナイト』はドミニク・クック脚色による七つの物語をちりばめた台本で、1998年にロンドンのヤングビックシアターで初演されました。様々な小道具や人形などを巧みに駆使し、生楽器を使った効果音とシンプルな音楽を重ねながら、俳優が入れ替わり立ち代わり次々と物語を演じたこの素敵な舞台が、演出の高瀬久男のアレンジによって楽しい音楽劇に生まれ変わります。ご期待ください。
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