平成15年度文化庁芸術団体重点支援事業
全労済文化フェスティバル2003参加

文学座 ファミリーシアター

アラビアン ナイト

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脚色 ドミニク・クック |
鴇澤 麻由子 | 音楽 芳垣 安洋
演出 高瀬 久男 | 高良 久美子
 
2003年3月29日(土)〜4月6日(日)

全労済ホール/スペース・ゼロ
(新宿駅南口・徒歩5分)
03−3375−8741
〒151−0053 東京都渋谷区代々木2−12−10 全労済会館B1F

公演情報 配 役 物 語 どんな舞台? 初演時のページへ
:出演:
>三木 敏彦・早坂 直家・大原 康裕
沢田 冬樹・浅野 雅博・粟野 史浩・木津 誠之
山本 道子・名越 志保・目黒 未奈・大野 容子・山田 里奈

:演奏:
芳垣安洋・高良久美子・太田惠資

:スタッフ:
美術 …… 島 次郎 | 舞台監督 …… 寺田 修
照明
……
中山 奈美
| 演出補 …… 田 俊哉
衣裳 …… 出川 淳子 | 制作 …… 伊藤 正道
振付 …… 新海 絵里子 | 矢部 修治
音響効果
……
斉藤 美佐男
| 票券 …… 最首 志麻子


【 公演情報 】
2003年
29 30 31
開演
時間
12:30 - - - - - - -
13:30 - - -
17:30 - - - - - - - -
18:30 - - - - -

料金


前売・電話予約5,500円/小・中学生2,800円
学生3,800円(取り扱いは文学座及びスペース・ゼロチケットカウンターのみ)
※ 未就学のお子様のご入場はご遠慮願っております。
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【 配 役 】
三木敏彦 ワジール/盗賊の頭/死刑執行人/船乗りのシンドバッド/
祭司/ハルン・アル・ラシッド/大臣/老人
早坂直家 シャハリヤール/偉い人/王
大原康裕 ババ・ムスターファ/仕立て屋/死刑執行人/
叔父/王/パン屋/庭師
沢田冬樹 アブダーラ/コック/荷かつぎのシンドバッド/
敵/幽霊/シディ1
浅野雅博 アリ・ババ/医者/商人2/友人/
蛇/シディ2/バーマン
粟野史浩 奴隷/カシム/商人/商人1/
アブ・アサン/人食いお化け/ファルーズ
木津誠之 アリ・ババの息子/乞食/商人3/托鉢僧/
ライオン/人食いお化け/料理人
山本道子 俳優1/カシムの妻/医者の妻/王/
叔母/母親/客2/庭師の妻/老婆
名越志保 女王/モルジアーナ/仕立て屋の妻/
見張り人/結婚斡旋人/客1/長女
目黒未奈 シャハラザード/末っ子/鳥
大野容子 アリ・ババの妻/警察署長/
花嫁/アミナ/次女
山田里奈 ディーナザード/薬屋/召使い/
小姓/少女/魔女娘/ファリザード
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【 物 語 】
 むかしむかしの、はるか彼方の遠い国……。きっと誰もが聞いたことのある「アリババと40人の盗賊」や「船乗りシンドバットの冒険」をはじめ、「ある乞食の物語」「アブ・ハサンが屁をした話」「ものを食べない奥さんの話」「妹をねたんだふたりの姉」など、美しい娘シャハラザードが千と一夜を語り紡いだ数々の物語。その摩訶不思議な物語はいつしか王様の冷たい心を溶かし、やがて人々を救う歓喜の輪になってゆく……。
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【どんな舞台?】
 『アラビアン・ナイト』と文学座
中村哮夫(演出家)

  私は雑誌『悲劇喜劇』3月号の、昨年のベストは?という問いに答えた一文に、この『アラビアン・ナイト』を挙げた。理由はその舞台空間がキラキラ輝いていたから、その空間の粒子がピチピチ新鮮にはじけ飛ぶような躍動感に溢れていたからである。これは二つのことを意味する。その一は高瀬久男の演出が深い井戸から地下水を汲み上げるように、原作と脚本から魅力をたっぷり汲み上げて、それを恰も練達の消防士が適確に火元に水を注ぐように、演劇の秘密のツボに注ぎ続けたからである。その二は俳優のアンサンブルのよく実った果実のような熟成度である。観劇直後の感想には、良かったや面白かったの上に美味しかったという形容を加えたかった。この演出のリードと演技集団の緊密ということは元来「新劇」の基本だった筈だ。ところが昨今の日本演劇界では、作家の独走か、演出家の自己顕示か、スター的俳優の突出か、というケースが数多く見られ、この公演のような「演劇」の純化は貴重なものであり、多くの芝居好きの人に見てもらいたかった。
  そこで一つの疑問に突き当たる。それはこの公演に冠された「ファミリー・シアター」という肩書である。このネーミングのお子様ランチ式の響きが大人の観客を逃してしまったのではないか、というのが第一の懸念。第二に、少年少女に、または親子にいい芝居を見せるというコンセプトに異議ある筈はないが、そこにほんのちょっぴりだが「与える」という姿勢が匂ってしまうことである(もっともこれは児童演劇の根本的問題であろうが)。ここで忽然と思い出したことがある。昭和13年の文学座旗揚げの試演会プログラムに於ける、久保田、岸田、岩田、三創立者の挨拶文である。≪……真の意味に於ける「精神の娯楽」を舞台を通じて知識大衆に提供したいと思います≫六十数年を経て今読んでもなかなか格好いい。この中の≪知識大衆≫という言葉には深い意味がこめられていると思う。それはこの時代の歴史的位相からすれば、一時代前の左翼演劇の言う「労働大衆」でもなく、この直後の戦時下の「軍国大衆」でもない、「真のリベラルを希求する人々」と読むことができるからである。とすれば「文学座」という命名にもそれにつながる道筋はある筈だ。こと程左様にネーミングは重大な意味を持つことがある。「ファミリーシアター」はちょっと安易だった気がする、というのが私の直言である。ただし舞台成果はここ数年の文学座公演の中でも出色の出来栄えであったと思う。勿論大人向けも子供向けもない「演劇」としての次元での話である。
  『アラビアン・ナイト』は一種のミュージカルでもある。ブロードウェイ流でもない、ブレヒト=ワイル流でもない、ごく自然発生的に歌と踊りが入ってくる。しかしいつの間にかそれが劇のひとつの核となっていて、浮き上がってしまわない。「音楽」と「舞踊」を「演劇」がしっかりと消化吸収している。そこがいい。二十一世紀の演劇は音楽や舞踊と深く結び合うようになるだろう、という言い方は早くからされていた。それを実験としてではなく当然のことのように成果をあげたところが心憎い。また、近年童話の中にひそむ残酷さを云々する説がよく聞かれる。ブロードウェイでも『イン・トゥ・ザ・ウッズ』(スティーヴン・ソンドハイム作詞作曲)という多くのグリム童話で構成したミュージカルが80年代終わりに作られ、一昨年再演されて去年のトニー賞のリバイバル部門で受賞している。童話やお伽噺の中には人間性のまるごとがひそんでいて、そこから引き出す目さえあればどんな苛酷なドラマを紡ぎ出すこともできる。『アラビアン・ナイト』もその好例であろう。
  脚本のドミニク・クックはイギリスの演出家だそうだが、舞台の具体をよく知っているということのプラスが大きく出たように思う。そしてこの本の特長は日本の狂言のように「この辺りの者でござる」式の自分に関する紹介やト書きを自ら言うことや、その語りからリアルな台詞に移る呼吸は、歌舞伎丸本物での義太夫から役者の台詞へ移行する流れのそれであり、その辺は日本人の方が外国人より受け入れ易い下地があるかもしれない。またそれが写実オンリーの会話劇より豊かな演劇的富を持つという成り行きにもなった。そして劇中劇の有名なエピソードは勿論だが、それらをつなぐ現実というか狂言回し的部分も、簡潔だが劇的テンションを持ち続けていたことが成功の一因だろう。高瀬久男の演出は青山円形劇場の丸い舞台の上に四方から見られ乍ら、きわめて高い集中力も持って劇を構築した。3年前のアトリエでの『マイ・シスター・イン・ディス・ハウス』も空間の把握に抜きん出た演出力を示したが、文学座にはどうしてこう若い演出家が生まれてくるのだろう。それは座内の自由な空気ということもあるのだろうが、同様に若い女優が次々と出てくるのにも目を見張る。今公演では目黒未奈名越志保から目が離せなかった。他の俳優も皆いいが(大勢が一人何役も重ねていく重層性が生きていた)、特に三木敏彦早坂直家の二人には拍手を送りたい。再演に期待するところである。

  演劇はまさにライブ、小・中学生の皆さんにその魅力を存分に味わってほしい。
親と子が共に楽しめる舞台を提供し、同時に新たな観客層の拡大もはかりたい。そんな主旨から昨年夏に誕生した<文学座ファミリーシアター>は、おかげさまで予想をはるかに越える大成功をおさめることができました。
  ロンドン初演で絶賛を博したドミニク・クック=脚色、鴇澤麻由子=訳『アラビアン・ナイト』を上演作品に選んだこと。すでにもうそこで今回の成功は約束されていたといえるのかもしれません。さらに、この舞台成果が高く評価されて毎日芸術賞・千田是也賞を受けた高瀬久男の演出。美術の島 次郎さんや衣裳の出川淳子さんをはじめとするスタッフの功績。ヴァイオリンとパーカッションによる素敵な生演奏。そして、12人の俳優達が次々に役を変えて、軽やかな歌と踊りとともに繰り広げる見事なパフォーマンス。それらすべてが絶妙のアンサンブルを生み出して、文学座ならではのアラビアンナイトの夢の世界を作り出したのです。
  上演台本の原作となる「千夜一夜物語」は、アラビアやペルシャの人たちが大昔から語り継いできた物語をアラビア語に書き取って、本の形にまとめたもの。インドやギリシャなどから伝わった話もあれば、古くは8世紀、新しいものでは16世紀頃に
できた話も含まれているそうです。この物語集が18世紀初頭にフランス語に訳され、やがて全世界へと流布して永遠のベストセラーとなりました。
  アリ・ババ、アラディン、シンドバット……。おなじみの主人公達が活躍する260以上もの物語。内容も登場人物も時も所も違う話を一冊にまとめるには、話と話をつなぐ仕掛けが必要となります。そこで、語り手のシャハラザード登場、聞き手はペルシャの王様です。妃に裏切られた王様は人間不信に陥り、毎晩、娘をひとりずつ宮殿に連れてこさせては、翌朝殺していました。そんなありさまに心を痛めたシャハラザードは志願して宮殿におもむき、毎夜毎夜おもしろい話を王様に聞かせます。その話についつい引き込まれた王様は、最後には自分のあやまちを悔いて、シャハラザードを妃として迎えたというのです。
  好評に応えて再演される『アラビアン・ナイト』も勿論、同じ展開を経てハッピーエンドを迎えます。楽しくおもしろく摩訶不思議な物語、歌と踊り、ライブ演奏などがひとつに溶け合い、アラビアンナイトの果てしない夢の世界に貴方を誘うことでしょう。是非ご家族ご一緒に『文学座ファミリーシアター』をお楽しみください!!

 昨年の夏、文学座初のファミリー企画として初演され絶賛を浴びた傑作舞台、多くの要望に応えての早速の再演です。軽やかな歌や踊りとともに次々と繰り出される物語の数々は、ライブ演奏により際立つ臨場感とひとつに溶け合い、アラビアンナイトの果てしない世界に貴方を誘うことでしょう。是非ご家族ご一緒に、文学座が魅せる夢の世界[ファミリーシアター]をお楽しみ下さい! 演出の高瀬久男は、この舞台成果により毎日芸術賞の千田是也賞を受賞したばかり。それぞれに素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた演技陣もすべて初演のままで、楽しく面白い舞台はまさに保障済みです。
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