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2004年11月12日(金)〜12月11日(金) 中国演鑑連 |
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| :出演: 加藤 武・押切英希・岸槌隆至・川辺邦弘 本山可久子・松下砂稚子・吉野佳子・奥山美代子・佐古真弓
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| 【 物 語 】 |
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東京中央線沿線の商店街で、亡き夫の後を継ぎ母トキと豆腐屋を長年やってきた尚子は、正月早々、となりの店の家事で類焼し弟清太の家に一時寄寓することになった。 長男の弘幸夫婦、次男の覚も飛んできたが再建のめどは立たない。弘幸も覚も豆腐屋を継ぐ意志はない。清太は公務員で河川工事の担当、業者との付き合いも多いようだが、かつて大雨で河川が氾濫し街が大被害を受けてから護岸工事に情熱を傾けているが、最近は住民が環境汚染の被害からコンクリートの壁を壊して自然のままに戻すよう護岸反対運動を始めたので苛立っている。家では娘の昌子が清太がせっかくコネを使って運動した会社に受験さえしない。何が気に入らないのか家に落ち着かず、妻の高子は清太に何も言わないけれどそれだけに頼りない。尚子、トキ、覚たちの同居が始まると一気にこの家の空気が変わってくる。尚子は働き者だけに清太夫婦の生活態度が気に食わない。なんのかんのとお節介。正義感が強いだけにお歳暮など業者の付け届けなど勝手に送り返してしまったりする。こともあろうに護岸反対署名運動に出席し、尚子が清太の姉であることが役所に発覚して清太は身内の反逆に頭を抱える。さらに、おとなしいはずの高子が突然家出をした。 1月17日、阪神に大地震が襲った。その幾日か後、被災地に高子の姿があった……。 |
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| 【どんな舞台?】 |
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賞味期限切れない『家路』 津田 類(演劇評論家) 3年前の1999年2月に東京の三越劇場で初演されて好評だった、平石耕一作、藤原新平潤色・演出の『家路』が、こんどは地方公演を主体にして再演されることになった。 この劇は、専業主婦の妻・高子、短大を卒えて目下職探し中の娘・昌子との三人暮しで、少々ワンマン気味とはいえ、まずは平穏な日々を送る地方公務員の土田清太の家に、隣家の火事のもらい火で焼け出された実姉の尚子が母のトキとともに転がりこんだところから始まる。 夫の死後家業の豆腐屋を引き継ぎ、毎朝三時起きでくるくる働き続けてきた尚子にとって、サラリーマン家庭ののんびりとした時間の経過はとても耐えられない。そこでつい生来のお節介が頭をもたげ、なんだかんだと土田家の内部に入りこんで混乱を起すことになる。 まず第一の被害者が河川工事事務所で護岸工事の設計と現場監督をしている弟の清太で、業者からの付け届けを勝手に送り返されたり、コンクリート壁の護岸工事に批判的な住民への説明会に出席して、情報公開を迫ったりされて、当事者としての清太の面目はまる潰れとなる。清太の妻・高子の場合も同様だ。動いてないとおさまらない義姉は、つい家事にも口や手を出してきて、これまで堅持してきた高子の自分流主婦の座はもろくも崩されたうえ、夫からは姉への不満が自分に向けられるし、娘の昌子には裏切られるしで、まるで立つ瀬をなくしてしまう。そしてついに、家出が決行される。阪神大震災のボランティア活動に参加していた尚子の次男・覚の話がヒントだったのだが、高子にとってはそれこそ清水の舞台から飛び降りるほどの強行手段だったに違いないのだ。 ところで、これほどの変化を土田家の人びとにもたらした仕掛人の尚子は、決して特殊な人物ではない。過当競争の荒波にもまれながら必死に生きてきた女からみると、公務員家庭の日常はいかにも間怠く映ったに違いない。しかも、子供の頃から弟をリードしてきた勝気な性格がついお節介として出たに過ぎない。業者の付け届けを送り返したり、コンクリート壁の護岸工事に批判的な住民の声に賛同したのも、いつも思っていることが自然に行動となってあらわれたものだろう。 平穏な一家に他人が入りこんだことで、一家の人びとに微妙な変化が生れるというシチュエーションはよくあることで、早い話、文学座のレパートリーでいえば、『華々しき一族』などもその一例だろう。 だがこの場合は、他人ではなく肉親だという点が非常におもしろいし、しかも、その変化の波紋がいずれも社会状況へと結びついている点がさらにおもしろいと思った。 新進気鋭の作家・平石耕一氏については、仕事仲間からいろいろと情報は得ていたが、実際に舞台を見たのはこの芝居の初演が初めてだった。そして、姉と弟、義姉と義妹との葛藤のなかから、ごく自然に環境問題の変化や、大災害によるボランティア意識の高揚などの社会性を浮び上らせる発想の豊かさに感心させられ、新聞評にも思わず、「この作者の並々ならぬ手腕」に驚かされたと書いたものだった。 初演から三年、バブル経済崩壊後の社会状況は依然きびしく、環境問題も人びとの関心の高まりとは逆に、遅々として改善の兆しは見えないし、各家庭では内にそれぞれの問題を抱えているといった按配で、当時と少しも変っていない。つまりこの芝居の賞味期限は決して切れてはおらず、いまもリアルタイムで観賞できるわけである。 ごく平凡な家庭の日常のなかで起る一人ひとりの心の変化を微細なタッチで描き、しかも思わず吹き出すような喜劇味を盛りこむという構成の妙が魅力的で、たとえば高子が蒸発して主婦のいなくなった土田家で、主婦代行を買って出た尚子が、清太の生活態度をきびしくチェック、変えさせてゆくところなどはとくにたのしく、場内は爆笑の連続だ。この場面の尚子・清太姉弟の論争を、レフリーの立場で見守る母トキの存在もウイットに富んでいておもしろい。ここが藤原新平の演出のとくに冴えを見せるところで、幼少時の姉弟の関係やそれを見守る母の面影が彷彿と浮かんでくる仕掛けになっているのである。藤原は川ア照代の話題作『野分立つ』でも随所に演出的な独自の技法を見せて、原作品の持つたのしさを倍加させたが、これはその延長線上のものといっていいだろう。 高子が大震災のボランティア活動を通じて自分の道を見つけて帰宅するラストの描写がまた示唆に富んでいて、はじめ、なんと素朴なタイトルと思った『家路』の意味の深さに感心させられたものだが、今回の公演はスタッフもキャストも、初演そのままだ。いろんな意味で深さも倍加されるに違いない。期待がもてそうだ。 |
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<劇評より> ◎洗練された会話の妙が舞台を面白くし、登場人物の一人一人がいきいきと描かれていく。場内に笑いがはじけ、高子が家路を見つけて帰宅する、ラストの描写も示唆に富んでいて、上質な家庭劇の味わいがある。(東京新聞) ◎ユーモアと皮肉が利いた語り口のほか、ベテラン俳優を主役に据え、劇団のよきアンサンブルを見せる。(毎日新聞) 1999年の初演で大好評を得た『家路』の待望の再演です。ご期待下さい。 |
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| 【公演日程】 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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