文学座

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アトリエ60 概要
   
   
 
“アトリエ60”企画概要
 


〈諍い〉を巡る3つの物語

20世紀から21世紀とはどんな世紀だったのか。めざましい科学技術の発達により産業も発展。その結果、大量生産、大量消費社会が生み出され物質的には豊かな生活を送るようになった世紀である一方、人間そのものが様々な事象で片隅に追いやられた時代でした。そして豊かさを享受し支配する側と搾取され支配される貧しい人々が存在するという構図がはっきりと浮かび上がり、双方がぶつかりあう為に起こる《諍い(いさかい)》というものが表面化してきた世紀でもありました。その流れは21世紀になってもとどまることはありません。けれどその《諍い》は、もとより20世紀、21世紀だけの特色ではありません。人類の誕生以来、人間に常にまとわりついているものです。

こで《諍い》をキーワードにギリシャ悲劇の『トロイアの女たち』、黒人女流作家マロリー・ブラックマンの小説を戯曲化した『カラムとセフィーの物語』を選び、アトリエの会では1997年の衝撃の舞台『寒花』以来13年振りの登場となる、鐘下辰男氏へ新作を依頼しました。

れら3作品を連続上演する中で、《諍い》とは何なのか、なぜ《諍い》が起こるのか、そしていたずらに《諍い》に身をゆだねて絶望するのではなくそこから《希望の芽》を見つけ出したいと願っています。

回、3作品の基本装置は、俊英乘峯雅寛による同一装置です。その装置の上で時代や風俗が大きく異なる3つの作品が、いかにその世界を描いていくのか、このことも今回の3作品連続上演の大きな見どころの一つでしょう。