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トロイアの女たち
   
   
 
アトリエ60 トロイアの女たち
 


紀元前415年にアテナイで初演され、「ギリシャ悲劇競演会」では2等を受賞した作品です。
エウリピデスは生涯に75作とも92作とも言われる作品を生み出しました。『トロイアの女たち』は、『アレクサンドロス』『パラメデス』と連なる3部作の3部目にあたる作品で、国際情勢に不穏な空気が流れた時、よく上演される作品です。すなわち「反戦劇」的傾向の強い作品としても知られています。

紀元前、ギリシャとの苛酷な戦争は終わった。
トロイアはスパルタ王メネラウスの軍門に下った。ギリシャ軍の天幕の中には捕虜となった敗軍トロイアの女たちが収容されていた。その中に王妃ヘカベの姿もあった。女たちには奴隷としての運命が待ち受けている。ヘカベの娘カッサンドラ、予言者として評判の高かったカッサンドラも連れ去られて行く。さらに、ヘカベの息子ヘクトルの未亡人アンドラマケとその息子アスティアヌス。幼いアスティアヌスには死が宣告された。夫、息子、娘、そして孫までも・・・。ヘカベの憎しみはヘレネに向けられた。この苛酷な戦いは、ヘレネにその原因があった。メネラウスの后であったへレネは、なんとトロイア王プリアムの息子パリスと駆け落ちしたのである。そして今、のうのうとメネラウスの元に戻ろうとするヘレネ。ヘレネを殺すよう懇願するヘカベ。そこへ孫アスティアヌスの亡骸が・・・。メネラウスはヘレネの要求を拒み、祖国へヘレネを連れ去った。全ての希望を奪い去られたヘカベ。この時、すさまじい音とともに城壁が崩れ落ちた。あとはただ、隷属の日々の待ち受ける敵国へ向かうだけであった。