文学座

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トロイアの女たち
   
   
 
アトリエ60 トロイアの女たち
 

<作/エウリピデス euripides>

 

紀元前480年頃〜紀元前406年頃。アイスキュロス、ソポクレスとならびギリシャ三大悲劇詩人のひとり。古代アテナイの中産階級の子と言われるが、諸説がある。生涯に90数編の作品を遺したと言われるが、現存しているのは19編である。
代表作として、『トロイアの女たち』『メディア』『エレクタラ』『アッティカ悲劇『イフィゲネア』『バッカス』『フェニキアの女』など。

<翻訳/山形治江>
1959年生まれ。津田塾大学英文科卒。
1982年〜83年にロータリー財団奨学生としてイギリス・ケント洲カンタベリー大学に留学(シェイクスピア劇専攻)。早稲田大学大学院博士課程満期終了。1987年〜1990年アテネ大学にギリシャ政府給費留学。
著書「ギリシャ悲劇」朝日新聞社ほか。訳書ソポクレス作「オイディプス王」「エレクトラ」(劇書房)エウリピデス作「メディア」「オレステス」(れんが書房新社)いずれも蜷川幸雄演出で東急文化村シアター・コクーンにて上演。
2003年度湯浅芳子翻訳賞受賞。日本大学生産工学部教授。

 
   

<演出家/松本祐子

 

■メッセージ
“諍いは終わらない。それでも女たちは生き続ける。”
私の手元に1枚の写真がある。
それは爆撃で娘を失った母親の魂が抜けたようになっている嘆きとも怒りともつかない不思議な顔。愛する者を、あまりに理不尽な暴力で失ってしまったものにしかできない不思議な顔。
紀元前の昔から、諍いは終わらない。
あの母親のような絶望を、幾千万という女たちは味わってきた。
それでも彼女たちは生き続ける。そして新たな命を世界に送り出す。たとえ、その子が兵士となって、また他の誰かにあの不思議な顔をさせてしまうとしても。


■プロフィール
大阪府生まれ。明治大学文学部演劇学専攻卒業後、文学座附属演劇研究所を経て、97年に座員となる。
99年から文化庁在外研修員として1年間ロンドンにて研修。帰国後、アトリエの会において、『ペンテコスト』『ホームバディ/カブール』など異文化間の対立を描いた問題作を発表。『ペンテコスト』はその上演に対し湯浅芳子賞受賞。06年、『ぬけがら』(アトリエの会)『ピーターパン』(ホリプロ)の演出に対して第47回毎日芸術賞−千田是也賞受賞。
昨年のアトリエの会でイヨネスコ『犀』を演出。50年ぶりの再演は大きな話題を演劇界に提供。ほかに『てのひらのこびと』『鳥瞰図』(以上、新国立劇場)『サムワン』『ウーマン・イン・ホワイト』(以上、ホリプロ)『ミザリー』(コマプロダクション)など。