文学座

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湖のまるい星
 


 2006年度本公演の第一弾としまして、作/鈴江俊郎 演出/藤原新平によります『湖のまるい星』を上演します。鈴江俊郎が文学座に戯曲を書き下ろすのは、1999年の『王様は白く思想する』以来、実に7年ぶり。今回は松下砂稚子、赤司まり子、早坂直家、外山誠二といったベテランから目黒未奈、粟野史浩ら若手まで総勢15人の出演者たちが“鈴江ワールド”を右往左往します。登場人物たちは日常に様々な問題を抱え、やがて身動きすら取れなくなってしまう。精神的に追い込まれ、ふと気付けばその深みにはまっているというある種のどうしようもなさは、現代を生きる誰しもがどこか思い当たるところではないでしょうか。精霊の送り火という山焼きの行事を心待ちにし、この送り火を見届けることで今の自分が変化できるかもしれない・・・。そんな些細なきっかけを全員が探している。しかし何かが変わってゆくことに“期待”と“不安”が混在し、自分自身、さらには他者との関わりまで全てが混沌を極めていることに、彼らはあらためて気付いてしまう。それでも生きていくことへの欲求は全員の心の深いところに存在し、そこへ向かってあがき苦しむことになるのだが。湖と山に囲まれた自然の中で、登場人物たちは希望の朝を迎えることができるのだろうか。この『湖のまるい星』は現代を映す鏡であり、我々に“絶望”から抜け出し“希望”を持って生きることへのメッセージを与えてくれるに違いないでしょう。大人のユーモアがぎっしりと詰まった本作にどうぞご期待下さい。