文学座

upper line

イントロダクション
あらすじ
   
   
   
 
ゆれる車の音 〜九州テキ屋旅日記〜
 

<あらすじ>

 の昔マグロ景気に湧いた宮崎・油津でタカマチ(テキ屋)を仕切っていた金丸一家。町は漁の無事を祈る縁日で賑わい、金丸一家も羽振り良く暮らしていた。しかし終戦の混乱期、特攻くずれの愚連隊に命とも言えるショバを荒らされた金丸一家は町を追われる羽目に…。 町を追われた金丸一家の組長・金丸重蔵(角野卓造)は妻と娘だけを引き連れ細々と露天商をしながら暮らしていた。しかし油津に残してきた先代組長である父の辰蔵が「もう一度ショバを取り戻したい」と度々口にしていることを耳にする。重蔵とは反対に気性の荒い性格の妻・敏子(塩田朋子)は辰蔵の願いを叶えようと発奮、「あんたもテキ屋の端くれだろ!」。面倒を避けたがる重蔵は尻を叩かれ、20年ぶりに油津へと帰る。

 死の覚悟で乗り込んだ故郷…。乙姫神社の境内には細々と屋台が並び、祭りとは名ばかりのさびれきった縁日。「これがあの賑やかだった俺の故郷やろか…」重蔵は肩を落とす。しかし重蔵が帰ってきたことを聞いた愚連隊の親玉・上原丈太郎(たかお鷹)の顔色が変わる「何やと金丸が帰ってきた?」。時代の波に押されおとなしくしていた丈太郎の顔が昔に戻り、愚連隊時代の仲間に声を掛け乙姫神社に駆けつけるのであった。

 うして、すっかりさびれてほとんど価値のない、思い出ばかりのショバをめぐる、おかしくて切ない、奇妙な戦争が始まるのだった・・。

 戦後の混乱を必死で乗り越え、何とかそこそこの幸せを掴んだつもりの男達。美しいのは思い出ばかり、がむしゃらだけが取り柄で生きるのは不器用、夢も希望もしぼみかけ、若者には突き上げられ、友達付き合いはうまく行かず・・・七転八倒中年親父の青春物語、笑いと涙の幕が開きます。