文学座

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イントロダクション
   
   
   
 
山羊…それって…もしかして…シルビア?
 


ありふれた日常に一滴の非日常を垂らすだけで、スリリングな演劇が
立ち上がる。『山羊…それって…もしかして…シルビア?』は、我々が
纏う「常識」という名の鎧を、オルビー独特の毒のあるユーモアで切り
崩してくれます。あなたの愛の限界は?あなたの「物差し」の限界は?
良識の中に潜む独善や差別意識を鋭く突きつけてくる問題作。
現代人の抱え持つ疎外感を強烈に表現したオルビーの第一作『動物
園物語』を1962年日本に紹介した文学座アトリエが、オルビーの仕掛
けた新たな罠に挑みます。


美しい妻と一人息子に恵まれた建築家マーティン・グレイは人生の最高の一週間を迎えた。 50歳の誕生日、建築界の権威ある賞を受賞。巨額の資金を投じて建設される未来都市プロジェクトの設計者への選出。 そんなマーティンのもとに旧友のTVジャーナリスト ロスがインタビューにやってくる。 幼馴染みのロスに、マーティンは衝撃の告白をする。
――僕は彼女に恋してる。あぁ、神様!あぁ、シルビア!
――シルビアって誰?

人も羨む幸せな家庭に投げ入れられた「シルビア」という爆弾が、人の信じる「正しさ」を吹き飛ばす。