<あらすじ>
物語は大正元年、伊藤野枝が社会主義活動家・堺俊彦の売文社を訪ね、
大杉栄や平塚らいてうに出会う場面から始まる。
〈売文社〉〈芸術座〉をめぐって、人々がいかに生き、ハイカラでモダン、
モボ・モガが闊歩する美しき時代"ベル・エポック"と呼ばれた大正期は、
実は明治史に一大汚点を残したと言われる明治43年の"大逆事件"以来、
大いなる挫折のあとの「冬の時代」であった。
しかし、そのような弾圧の中でなおすべてに対して挑戦的に、ひたむきに生き抜いた人々がいた。
売文社を中心とする堺俊彦、その売文社にあきたらず新たに近代思想社をつくった大杉栄、
荒畑寒村、また芸術座を中心に活躍する島村抱月、松井須磨子、沢田正二郎、
青鞜社を中心とする平塚らいてう、神近市子、伊藤野枝等がモデルとなっている登場人物たち。
花を咲かそうとして死んでいったのか・・・・・。
史実と虚構が入り交じった人物たちの物語が楽しくも哀しく展開していく・・・・・。