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文学座公演

「大空の虹を見ると

私の心は躍る 」



作:鄭 義信 
演出:松本祐子

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逆境にあってもユーモアを忘れずたくましく生きる庶民の姿を愛情を込めて描き、 観客の共感を得る鄭義信。2008年に東京・ソウルで上演された新国立劇場制作『焼肉ドラゴン』は、その年の演劇賞を総ナメにしました。演出にあたる松本祐子は文学座初演出作品、鄭義信作『冬のひまわり』(文学座アトリエの会)で好評を得て 以来、劇団内外で鄭作品に取り組んできました。 どの作品でも、現実に根を下ろせず、孤独を抱え、それゆえ夢を求めずにはいられない人々が、 身を寄せあって生きる姿が描かれ、共感を呼んでいます。 2013年初演の本作も多くの観客の笑いと涙を誘い、2015年には全国演劇鑑賞団体神奈川ブロックを巡演し、ステージ数を重ねて成長しました。

舞台は地方都市の繁華街のはずれにぽつんとある、廃館間際の映画館「新星劇場」。 館主は安田均(清水明彦)。取り壊しが差し迫る中、息子映一(柳橋朋典)の友人・管原太一(木津誠之)が東京から片付けを手伝いに来ている。
先代の館主・安田善蔵(坂口芳貞)は、亡き妻と映一の弟・映都の思い出が染み付いているこの劇場を愛おしみながら同じ話を繰り返す。
映画館の従業員・浜田福子(頼経明子)は、次の職場に向けて活動中。近所に住んでいる佐々木須美江(山本道子)はまだ一度もここで映画を見たことがない。映写技師・大野守は安田家と深い関わりがありそうな謎の男。
それぞれが切なさと輝かしさを湛えながら生きている。
―最終上映まであと数日。

劇評から

文学座のチーム力に目を見はる。2時間に満たない小編ながら、閉じられる映画館の人間模様がおかしくも切なく浮かびあがる。鄭義信の書き下ろし。さりげないセリフに人間の地肌を刻みこむ作風だけに、演技の燃焼が大切になる。これまでもコンビを組んできた松本祐子の演出が自然な演技の伝統を生かし、哀感を笑いにくるめて描きだしたのは収穫だ。 (日本経済新聞 内田洋一)

鄭 義信 ちょん・うぃしん

1957年生まれ 兵庫県姫路市出身。 同志社大学文学部文化学科美学及び芸術学専攻を中退。 横浜放送映画専門学校(現・日本映画大学)美術科卒業。 松竹大船撮影所で美術助手を経て、劇団黒テントに入団。 その後劇団〈新宿梁山泊〉の旗揚げ参加、座付き作家として 『人魚伝説』『映像都市・チネチッタ』『青き美しきアジア』などを書き下ろす。 1993年『ザ・寺山』(流山児★事務所)で第38回岸田國士戯曲賞を受賞。 映画『月はどっちに出ている』、『愛を乞うひと』で数々の賞を受賞。 TV『僕はあした十八になる』(NHK)で平成13年度芸術祭賞大賞を受賞するなど 映画、テレビ、ラジオのシナリオでも活躍。 演劇界においても自身の主宰ユニット〈海のサーカス〉を立ち上げ、 また、〈オペラシアターこんにゃく座〉〈わらび座〉〈椿組〉〈トム・プロジェクト〉など その他の団体でも作・演出と多く活動を続けてきている。 近年では、日韓合同公演も多く、2008年『焼き肉ドラゴン』(新国立劇場)では 大好評を得て、鶴屋南北戯曲賞や芸術選奨文化部科学大臣賞を受賞している。 近作に『さらば八月の大地』(新橋演舞場)。2014年紫綬褒章受章。



  松本祐子
(まつもと・ゆうこ)
演出家/文学座所属。大阪府枚方市生まれ。
明治大学文学部文学科演劇学専攻卒業。1992年文学座附属演劇研究所入所(32期)。 1997年座員昇格。文学座で初めて演出した『冬のひまわり』(作/鄭義信 文学座ア トリエの会)の好評により注目される。その後1999年文化庁在外研修員として1年 間、ロンドンにて研修。帰国後、文学座アトリエの会において『ペンテコスト』『ホ ームバディ/カブール』など異文化間の対立を描いた問題作を発表。『ペンテコスト』 はその上演により湯浅芳子賞受賞。 2006年、『ぬけがら』(文学座アトリエの会) 『ピーターパン』(ホリプロ)の演出により第47回毎日芸術賞―千田是也賞受賞。 その他主な演出作品に『犀』『トロイアの女たち』(以上文学座アトリエの会)『秋 の螢』『タネも仕掛けも』(以上、文学座本公演)『やけたトタン屋根の上の猫』 『鳥瞰図』(以上、新国立劇場) 『サムワン』『ウーマン・イン・ホワイト』(以上、 ホリプロ)『ミザリー』(コマプロダクション)など。文学座の女優山像かおり (ペンネーム:秋之桜子)奥山美代子と3人で演劇集団〈西瓜糖〉を結成するなど精力 的に活動している。 近作に台本も手がけた『兄弟』(劇団東演)『かもめ』(勝田演劇事務所プロデュース)など。2017年8月には『喝采』(加藤健一事務所)を手掛ける。


         

坂口芳貞

清水明彦

木津誠之

柳橋 朋典

山森大輔

江頭一馬

山本道子

頼経明子

 

□スタッフ
  装置/乘峯雅寛 照明/金 英秀 音響効果/藤平美保子
  衣裳/山下和美 舞台監督/岡野浩之 演出補/所 奏 制作/友谷達之

 

 


   2017年       
月日 会館名 主催団体 tel
9/10 長岡リリックホール・シアター (公財)長岡市芸術文化振興財団 0258-29-7715
9/14~20 木~水 北九州芸術劇場 中劇場 北九州市民劇場 093-541-0075
9/22~24 金~日 下関市生涯学習プラザ 大ホール 下関市民劇場 083-232-4065
9/26 ビーコンプラザ
フィルハーモニーホール
別府市民劇場 0977-21-6608
9/27 ホルトホール大分 大分市民劇場 097-532-0365
9/28・29 木・金 イイヅカコスモスコモン 中ホール 飯塚市民劇場 0948-22-9370
9/30 ユメニティのおがた 直方市民劇場 0949-25-2629
10/2 宝山ホール 鹿児島市民劇場 099-224-2888
10/4・5 水・木 メディキット県民文化センター
演劇ホール
宮崎市民劇場 0985-62-0075
10/6~8 金~日 熊本県立劇場 演劇ホール 熊本市民劇場 096-322-0500
10/10~18 火~水 ももちパレス 大ホール 福岡市民劇場 092-771-8671
10/19・20 木・金 佐賀市文化会館 中ホール 佐賀市民劇場 0952-26-0791
10/23 アルカスSASEBO 大ホール 佐世保市民劇場 0956-22-5294
10/24 島原文化会館 大ホール 島原市民劇場 0957-63-3137
10/25~27 水~金 長崎市民会館 文化ホール 長崎市民劇場 095-823-6588



文学座 03-3351-7265 ( 10:00→18:00日祝除く )
〒160-0016 東京都新宿区信濃町10