舞台美術家として手掛けた舞台は1600本を超え、演劇界に大きな足跡を残した朝倉摂。しかし彼女が舞台美術家として邁進したのはロックフェラー財団の招聘で渡米した48歳以降で、前半生は画壇に新しい世界を切り拓くべく挑戦を続けた日本画家でした。摂は舞台美術の世界に突き進んで以来、絵画の世界とはきっぱりと離れ、自らの日本画家時代の作品を徹底的に封印します。戦前戦後、激動の日本で日本画家・朝倉摂は何に怒り、何と闘い、何に歓喜し、何を貫こうとしたのか――私たち演劇人の恩人・朝倉摂さんの「青の時代」のドラマを描きたいと思います。(瀬戸口郁)
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