文学座の創立宣言に「名実ともに現代俳優たり得る人材の出現に力を尽くしたい」とあるように、研究所は当初よりその使命を帯びてきました。
創立者の一人である岸田國士の方針により、文学座の俳優教育はフランスの国立音楽演劇学校(コンセルバトワール)のカリキュラムにならい、セリフを発することから始まりました。そのセリフも、いわゆる「お芝居言葉」ではなく、「生活の言葉」、生活に根ざした言語表現を身につけることに力を入れていました。
現在の文学座附属演劇研究所は、1961年に文学座創立25周年の記念事業の一つとして開設しました。
それ以来、時代の変化に即してカリキュラムを更新しながら、時代の変化にとらわれない魅力を持つ俳優の育成を志し、60年にわたって実力ある俳優を輩出し続けています。
また、演出、舞台監督、美術、照明、音響効果などスタッフの養成にも力を入れており、文学座公演だけでなく様々なカンパニーで手腕を振るっています。
研究所での養成期間は3年。基礎と実践を重視した本科1年を経た後、実践+マネージメントを受けて現場での経験も積む研修科2年間を経て、正式に劇団所属になります。
小川眞由美、樹木希林、寺田農、黒柳徹子、宮本信子、藤田弓子、
市毛良枝、松田優作、桃井かおり、梅沢昌代、阿川泰子、中村雅俊、田山涼成、内藤剛志、
田中裕子、堀尾正明、松本修、大塚明夫、藤原啓治、内野聖陽、寺島しのぶ、佐藤二朗、戌井昭人、長谷川博己、江頭一馬(家族チャーハン)、花田ゆういちろう など。
1938年4月
授業は週3、4日の夜間。1939年6月閉鎖。その後、1942年、1946年と断続的に開所
1940年4月
東宝映画と提携、第二期研究所として開所。1941年2月閉鎖。
1949年4月
1951年3月に2期生の卒業をもって閉校。
1951年4月
舞台監督、美術、照明、音響効果の4部門の養成機関。
1953年は技術部と演技部を分けて募集。
54年~56年は縁故関係での研究生を採用。
1961年4月
文学座創立25周年の記念事業の一環で研究所を開設。(現在の研究所)
過去の研究所カリキュラムを精査し、演技実習と発表会を中心にし、通年で体操と音楽、特別講義で演劇史などの座学という実技中心カリキュラムに。
1971年4月
本科1年修了後、研修科(2年間)を設ける。
1973年4月
本科を昼間部と夜間部の2クラス制にする。
2010年12月
2018年4月
これまでの演技部、演出部に加え、制作部の募集開始。