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文学座公演

「 女 の 一 生 」

作:森本 薫 / 補訂・演出:戌井市郎による
演出補:鵜山 仁

地方公演:東北地方・横浜
日程:2020年9月23日(水)→10月17日(土)[詳細日程]
              




 

 森本薫作『女の一生』は、名優と呼ばれた故杉村春子の代表作として知られる舞台であり、文学座にとって最も大切な「財産演目」です。1945年4月に久保田万太郎演出で初演され、久保田亡き後は戌井市郎の演出作品として再演を重ね、杉村主演の<布引けい>役の上演回数は947回におよびました。常に再演の期待が高いこの作品は、杉村自身の意向により生前に <布引けい>役を平淑恵にゆずりましたが、演出はその後も戌井市郎が担当しました。

 東京のみならず地方においても絶大な人気を持ち、時代の節々で上演されてきた本作。2010年に俳優座劇場で上演された江守徹演出版の清々しさも記憶に新しく、『女の一生』という作品の可能性が無限であり、現代に通じる普遍性を持っていることを証明しました。2014年には鵜山仁が戌井演出を下敷きとした新演出で新たな命を吹き込むと、本作は「現代を描いた作品」「人間関係が際立っている」「森本戯曲の台詞の美しさを再認識した」など、全国各地の鑑賞団体より絶賛の声を多数頂くこととなりました。2016年、平淑恵より布引けい役を引き継いだ山本郁子が、見事にこの大役を演じ切ることが出来ました。2020年、また新たなキャストを迎えて、再びこの作品に挑むことで、文学座が歩んできた歴史そのものといえる『女の一生』に新たな"節"を刻みます。

明治38年(1905年)、日本がようやく近代的な資本主義国家となり始めた頃、天涯孤独の境涯にあった<布引けい>は、不思議な縁から拾われて堤家の人となった。清国との貿易で一家を成した堤家は、その当主もすでになく、息子たちはまだ若く、<しず>が弟章介とともに困難な時代を生きていた。やがて<けい>は、その闊達な気性を見込まれ、長男伸太郎の妻となる。次男栄二に寄せた思慕は断ち切られ、<けい>は正真正銘、堤家の人となる。 やがて時は流れて……。

森本 薫 もりもと・かおる

1912年に大阪市で生まれた。三高在学中の1932年処女戯曲 『ダムにて』を発表し、1934年、同人誌「部屋」に掲載された 『一家風』が小山祐士と田中千禾夫の目にとまり、 執筆を依頼されて書いた『みごとな女』が岩田豊雄に賞賛される。 1935年『華々しき一族』、36年『かくて新年は』を「劇作」に、 『衣裳』を「文芸」に発表。稀有な早熟の天分を存分に開花させてゆく。 38年に結婚し、まもなく上京したが、前年に発足した文学座の「試演」と名づけた第一回公演に『みごとな女』が取り上げられた。 40年岩田豊雄の勧めで文学座に入座、以降、劇団初の座付き作家として活躍する。 森本薫の最後の戯曲となった『女の一生』は、1945年4月の東京で、空襲の合間を縫うように上演された。 京都に疎開した森本薫は肺結核が再発し病床で敗戦を迎える。 46年に『女の一生』のプロローグとエピローグを戦後の時点に書き直した後に夭折。 享年34歳だった。



  鵜山 仁
(うやま ひとし)
奈良県出身。文学座附属演劇研究所17期、1982年座員に昇格。初演出は1982年文学座アトリエの会『プラハ1975』。以降、精力的な演出活動を続け、日本演劇界を代表する演出家の一人である。83年から1年間、文化庁派遣芸術家在外研修員としてパリに滞在。89年芸術選奨文部大臣新人賞受賞。99年『おばかさんの夕食会』『夢の島イニシュマーン』の演出で第2回毎日芸術賞千田是也賞、2001年新国立劇場『コペンハーゲン』などで紀伊國屋演劇賞個人賞と読売演劇大賞優秀演出家賞、04年『ニュルンベルグ裁判』(ひょうご舞台芸術)などにより第11回読売演劇大賞の大賞と最優秀演出家賞、10年『ヘンリー六世』(新国立劇場)により第17回読売演劇大賞最優秀演出家賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞、16年『廃墟』(文化座+東演)、『マンザナ、わが町』(こまつ座)により第23回読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞。昨年17年には『その人を知らず』(東演+文化座+民藝+青年座+文学座)の演出を手掛けた。そして今年18年もフランスの劇作家フロリアン・ゼレール作『真実』の翻訳や、『怪談 牡丹燈籠』の演出など、文学座の公演のみならず、多方面で活動の場を広げている。 07年9月~10年8月、新国立劇場の第4代芸術監督(演劇部門)を務めた。


                

赤司まり子

山本郁子

吉野実紗

前東美菜子

渡邊真砂珠

片平友里絵

石川 武

高橋ひろし

今村俊一

鈴木弘秋

上川路啓志

小林彩音
(テアトルアカデミー)
交互出演

鈴木聖月
(テアトルアカデミー)
交互出演

 

□スタッフ
  装置/中嶋正留 照明/古川幸夫 音響効果/秦大介 衣裳/中村洋一
  演出助手/生田みゆき 舞台監督/寺田修 制作/前田麻登
  宣伝写真/鶴田照夫 宣伝美術/太田克己

 



   □上演時間 2時間45分(休憩あり)

 下記の公演は「全国演劇鑑賞団体連絡会議」加盟の各地鑑賞団体(会員制)による主催公演です。
 各公演については右欄のお問合せ先にご連絡をお願いいたします。

  2020年   

  
月日 会館名 主催団体 tel
9/23 けんしん郡山文化センター中ホール 郡山演劇鑑賞会 024-938-9019
9/24・25 木・金 いわき芸術文化交流館アリオス大ホール いわき演劇鑑賞会 0246-21-5963
9/26・27 土・日 とうほうみんなの文化センター大ホール 福島演劇鑑賞会 024-534-9191
9/29 會津風雅堂 会津演劇鑑賞会 0242-29-8608
10/1・2 木・金 八戸市公会堂文化ホール(八戸市公民館) 八戸市民劇場 0178-43-0615
10/6 山形市民会館 山形演劇鑑賞会 023-623-1901
10/7 荘銀タクト鶴岡 鶴岡市民劇場 0235-24-6560
10/8 秋田市文化会館大ホール 秋田演劇鑑賞会 018-800-6250
10/9 リンクモア平安閣市民ホール 青森演劇鑑賞協会 017-722-7944
10/10-12 土-月 トークネットホール仙台(仙台市民会館) 仙台演劇鑑賞会 022-216-5566
10/14 盛岡市民文化ホール 盛岡演劇鑑賞会 019-622-5073
10/16・17 金・土 神奈川県立青少年センター紅葉坂ホール 横浜演劇鑑賞協会 045-290-0616

文学座 03-3351-7265 ( 10:00→18:00日祝除く )
〒160-0016 東京都新宿区信濃町10