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文学座公演

「明 治 の 柩」

作:宮本 研 
演出:髙瀬久男

日程:2015年6月11日(木) → 24日(水)

会場:[東池袋]あうるすぽっと

※演出の高瀬久男は6月1日に急逝しましたが、 公演は予定通り上演いたします。

→ 公演ブログ

 

気骨の作家・宮本研によって書き下ろされたこの作品は1962年ぶどうの会によって初演され、以降に書かれた『美しきものの伝説』『阿Q外傳』『聖グレゴリーの殉教』と連なって「革命伝説四部作」と呼ばれる作品群の端緒となった。日本公害史の原点となった足尾鉱毒事件の軌跡を克明に記録し、その問題解決に命をささげた田中正造を題材に、近代以降の日本に横たわる非常に重いテーマを描いている。
いつの時代も社会問題は生まれ、またそこには打ち捨てられる人々が喘ぎを発している。芝居では抱えきれない重い現実を、しかし芝居でしか成し得ない表現によって上演を試みます。劇場で投げかけた小石が小さな波紋を産み、静かに広がっていく事を願って。
『ナシャ・クラサ』(2012年/アトリエの会)、『ガリレイの生涯』(2013年/本公演)など、人間の不条理な真相に迫りながら社会を告発する作品を続けざまに手掛けてきた髙瀬久男が演出を執り、いま改めて社会への問いを投げかけます。

明治後期。足尾銅山は日本最大の鉱山として発展する一方、その鉱毒により汚染された渡良瀬川流域一帯に甚大な被害をもたらした。
村人たちは窮状を明治政府へ訴えるべく押し出し(請願行動)を決行し、国会議員・旗中正造も住民のために奮闘する。しかし富国強兵を掲げる政府は、殖産興業を推し進めるべく銅山に肩入れし、住民を救済するどころか押し出しの先頭をつとめた若者たちを捕えるのだった。
村を守る者、村を捨てる者。人々は運命に抗いながらそれぞれの進むべき道を模索し続ける…。

宮本 研 

1926年熊本県生まれ(~1988年)。劇作家。
父親の仕事の関係で中学まで北京で過ごす。法務省勤務時代、職場演劇グループ「麦の会」を組織し『僕らが歌をうたう時』を創作。その後退職して劇作に専念。『日本人民共和国』『メカニズム作戦』で岸田國士戯曲賞受賞。本作『明治の柩』、大正期のアナキスト大杉栄とその妻伊藤野枝を中心とする青春群像劇『美しきものの伝説』、中国文学の巨人魯迅の生み出した人物阿Qを主人公とする『阿Q外伝』、帝政ロシアの怪僧ラスプーチンをモチーフにした『聖グレゴリーの殉教』の連作は、「革命伝説四部作」と言われる。
文学座への書下しは、『美しきものの伝説』『阿Q外伝』『聖グレゴリーの殉教』の他に、『夢・桃中軒牛右衛門の』『東海道おらんだ怪談』『乱-かな女覚え書』『新釈・金色夜叉』『新編・吾輩は猫である』がある。




  髙瀬久男

「史実と虚構の狭間にあって」
            演出 髙瀬久男

宮本研さんの作劇は、実在した人物を扱いながら、その人物の業績の紹介で収まることは無く、その人の生きた時代や取り巻く状況とともに、今、そのことがどのようなこととして見ることが出来るのかという客観性をもっているのが特徴と言える。
「明治の柩」は、田中正造がその人である。その生涯を追えばドラマはそれなりに成立しそうであるが、勿論それなりに収まることは無い。人はどのように生き、死んでいくのか。究極行き着くところはそのあたりにある。明治の世、時代は新しく動き出し、産業の発展こそが世界と肩を並べる手段であると、いつしか人の命は軽んじられ始めた。足尾、水俣、福島。数えきれない「棄民」を生み出す装置。果てること無く続く国家の横暴。田中正造という人を柱に、明治という過去と向き合う宮本研さんの作劇は、昭和という時代を超えて今に至る。今、未来はあるかと問われた時、私たちは何と答えるのだろうか。
山から海へ水は流れ、樹木は季節の巡りと共にその姿を変える。地球は太陽の恵みを受け回り続ける。人はその流れを止めることはできない。人が人であり続けるために見つめ直すべきことがある。柩は確かにそこにある。

文学座附属研究所20期/1985年座員に昇格。
2001年文学座アトリエの会『マイ・シスター・イン・ディスハウス』での成果により第8回読売演劇大賞/優秀演出家賞。2002年にはデュマの傑作「巌窟王」を大胆に脚色・演出した『モンテ・クリスト伯』(文学座)で高い評価を得て芸術選奨文部科学大臣新人賞、2003年『アラビアン ナイト』で毎日芸術賞/千田是也賞、2010年は『高き彼物』『グレイクリスマス』読売演劇大賞/優秀演出家、『カラムとセフィーの物語』(文学座アトリエ)で第45回紀伊國屋演劇賞/個人賞を受賞した。
2012年、ポーランドの問題作『NASZA KLASA(ナシャ・クラサ)』(文学座アトリエ)を手掛け大きな衝撃を演劇界にもたらし、この作品が第20回読売演劇大賞の最優秀作品賞を受賞、髙瀬自身もも優秀演出家賞を受賞した。2013年にはブレヒトの大作『ガリレイの生涯』を演出するなど、社会に一石を投じる作品を送り出し続けている。



坂口芳貞

石田圭祐

石川 武

加納朋之

得丸伸二

沢田冬樹

椎原克知

亀田佳明

清水圭吾

上川路啓志

藤側宏大

高塚慎太郎

駒井健介

木場允視

南 一恵

山本郁子

佐古真弓

千田美智子

福田絵里

 

□スタッフ
  美術/島 次郎 照明/沢田祐二 音響効果/藤田赤目 衣裳/前田文子 殺陣指導/栗原直樹
  演出補/生田みゆき 舞台監督/寺田 修 宣伝写真/サト・ノリユキ/SATOFOTO
  制作/矢部修治、大野順美 票券/最首志麻子  

 


□上演時間3時間5分(休憩15分含)

        
  6/11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
 
13:30  



 
 



 
18:30
       
 
      
 

     ○=夜割料金
     ★=アフタートーク開催日

    アフタートーク① 6/14 永井 愛(劇作家・演出家/二兎社主宰)×坂口芳貞
             進行:山内則史(読売新聞/記者)

    アフタートーク② 6/17 出演者による座談会

永井 愛:桐朋学園大学短期大学部演劇専攻科卒。
日本の演劇界を代表する劇作家の一人で「言葉」や「習慣」「ジェンダー」「家族」「町」など身辺や意識下に潜む問題をすくい上げ、 現実の生活に直結した、ライブ感覚あふれる劇作を続けている。代表作に『僕の東京日記』(紀伊國屋演劇賞個人賞受賞)『兄帰る』(岸田國士戯曲賞受賞)『鴎外の怪談』など。『鴎外の怪談』は第2回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞・第65回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。

     当日券は開演1時間前より劇場受付にて販売!


□前売開始 2015年4月24日(金)
(全席指定・税込)
一般前売 6,000円
夜  割  4,000円(6/11・16の夜公演限定)
◎夫 婦 割  10,000円
◎ユースチケット 3,800円(25歳以下)※
◎中・高校生  2,500円※
◆豊島区民割引 5,500円

◎=文学座のみ取り扱い
◆=豊島区在住・在勤/あうるすぽっとチケットコールでの前売のみ取扱い/要証明書提示
※ ユースチケット・中高校生券は当日劇場で年齢証明証(中高生券は学生証)をご呈示いただきます。


□チケット取り扱い

○文学座チケット専用 0120-481034(シバイヲミヨー)
  (10時~17時30分/日祝を除く)

   ≪ご送金方法≫
    銀行振込: 三菱東京UFJ銀行 四谷支店 
            普通口座 4360713 (株)文学座切符代金口
    郵便振替: 00170-4-91348 株式会社文学座

     ※文学座チケット専用ダイヤルにてチケットをご予約の上、
     ご送金をお願い致します。ご予約時にもご案内致します。

チケットぴあ 0570-02-9999 (Pコード442-684)
e+(イープラス)(PC・携帯共通)
あうるすぽっとチケットコール(PCかお電話で)03-5391-0516
○オンラインチケット(Gettiiカンフェティ版より)
          ※ご利用方法→→ ご購入『明治の柩』



《東池袋》あうるすぽっと
〒170-0013 豊島区東池袋4-5-2 ライズアリーナビル3F 
TEL:03-5391-0751


文学座 03-3351-7265 ( 10:00→18:00日祝除く )
〒160-0016 東京都新宿区信濃町10