若手座談会
 

【文学座公演『地獄のオルフェウス』『夏の夜の夢』若手座談会〜後編〜】


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若手座談会〜前編〜はこちら!


『地獄のオルフェウス』公演情報はこちら

『夏の夜の夢』公演情報はこちら


2023年4月下旬。文学座公演『夏の夜の夢』に出演する池田倫太朗(以下、池田)、奥田一平(以下、奥田)、平体まひろ(以下、平体)、渡邊真砂珠(以下、渡邊)、そして『地獄のオルフェウス』と『夏の夜の夢』に出演する小谷俊輔(以下、小谷)が集結し、座談会を開催しました!
実は偶然にも池田と奥田が53期の同期、小谷、平体、渡邊も3人も57期の同期という組み合わせ。研究所時代の思い出から今現在の5人について、更には今後出演する作品の魅力について、前編・後編と分けてお届けします!

―同世代で気になる俳優や尊敬している俳優はいますか?
渡邊:同世代ではないんですけど、好きな俳優は藤原竜也さんです。初めて見た演劇が藤原竜也さんの出演していた『ハムレット』で、DVDで見てすごく感動しました。感覚なんですけど、いままで感じたことのないような魂みたいなのを感じました。
平体:映像から?
渡邊:うん。
奥田:生で見たらもっと凄かっただろうね。
渡邊:16歳くらいで、いろいろ進路とか悩んでた頃に見たってのもあったかもですね。
池田:僕は同世代で気になる俳優はいるけど、口にしたくない自分がいる。みんなわかるでしょ?
一同:ジェラシーみたいな?
池田:うんうん。なんかちょっと言いたくないな。奥田くんは、いますよね?(笑)
奥田:僕は那須凜さんが気になります。共演したことも芝居を見たこともないけど、僕が文学座に入った時期と那須凜さんが青年座に入った時期がほぼ同じで、最近、活躍をよく聞くので気になってます。
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―読売演劇大賞で杉村春子賞も取ってますよね。
奥田:そうそう。次の『夜叉ヶ池』でもメインビジュアルにいるし、気になりますね。
平体:1回も見たことないんですか?
奥田:そう。だから余計気になってて。『おやすみ、お母さん』観たかったな〜。
平体:凄かったですよ〜、本当の親子であの芝居を…。(母の那須佐代子さんと共演。)私も親子で俳優をされてる方で気になってる人がいて、哀川翔さんの娘の福地桃子さんです。歳が1つ違いで、身長もほぼ同じで似てるって言われることもあるので気になってます。
池田:ルックスが似てるから気になるの?
平体:ルックス、年齢と役どころも似ていて、映像と舞台で畑は違うんですけど、すこーし。(笑)
小谷:僕は片岡仁左衛門さんに似てるって言われるので、意識しています。(照)
奥田:ほんと、そっくりだよね。
小谷:顔は似てるって言われたことあるけど、比べるなんて1世紀早いです…。
奥田:若手だったら?
小谷:よっちゃん(川合耀祐)かな〜。(笑)
平体:同期は気になるよね。
小谷:同期をライバルに思ってたりしますか?
奥田:俺らの同期は結構ライバルに思ってたりしてたかな。でも俺らの下の期は仲良くて、研究所内恋愛が多かったよ。
平体:うちらの代も多かった。
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奥田:そうなんだ。俺らの代はとにかく芝居の話したり、ライバル心があったりだったかな。
池田:確かに恋愛はなかったね。みんな友達みたいだったというか、喧嘩とかもしたりしたね。
奥田:俺も常ちゃん(常住富大)にムカつくとか言ったり。
池田:楽屋でピンポンパンっていうシアターゲームやってたら、温子(日景温子)にうるさいってめっちゃ怒られたりしたね。

―将来の俳優像や、やりたい役はありますか?
平体:しゃべらない役をやってみたい。なんか、土とか。概念みたいな。マイムとか日舞とかやってると、手の動き一つで何にでもなれたりするから、それでしゃべらない役やってみたいなぁって思います。文学座にいるのに。(笑)
―なるほど!他はありますか?
池田:今まで『ガラスの動物園』に出演した時ほど、作品の世界に浸れたことがなかった。将来、キャスティングから演出、役者も全て自分でやってみたいという夢があります。一平ちゃんは?
奥田:俺は将来の俳優像が松山ケンイチさんです。普段の生活の色が見えない人というか、松山さんはどの役をやっていても本人が見えない感じがして、そういう俳優になりたい。やりたい役は、ひたすら理詰めする役。最近、亀田さん(亀田佳明)が『ブレイキング・ザ・コード』で演じたアランみたいな役。やりたい作品は、井上ひさしさんの『天保十二年のシェイクスピア』を祐子さん(松本祐子)の演出で。
池田:いいね〜。
奥田:研究所時代にやったことがあって、歌あり殺陣ありダンスありで面白かった。文学座の本公演でやるとお客様の幅も広がりそうなのと、文学座に歌える人も踊れる人も増えてきたから、超ガチガチのエンタメを文学座でって、思いですね。
渡邊:私は一平さんとは逆かもしれないけど、お芝居を見て、どういう人か気になる俳優になりたいのと、シアタートラムの舞台に立ちたい。
平体:トラム、いい劇場だよね。一番好き。
奥田:いい。ちょうどいいし、音響もいいし、廊下もいい。
小谷:僕はイプセンの『ヘッダ・ガーブレル』が好きで、イェルゲン・テスマンとかレェーヴボルクとかやってみたい。好きなドイツ人の俳優でUlrich Wildgruber(ウルリッヒ・ヴィルトグルーバー)っていう人がいたんですけど、レェーヴボルクを演じてるのをYouTubeで見て凄かったので、やりたいですね。

―『夏の夜の夢』はどうですか? 今回座談会に参加している、池田さんと平体さんがカップル。奥田さんと渡邊さんがカップルになりますよね。小谷さんも出演します。
小谷:『夏の夜の夢』は、自分が持ってきたアイディア次第でいろんなことが挑戦できる気がして、やりがいがある。
奥田:四人の恋人の関係性も色んな角度から創れるし、職人たちのシーンも自由度が高くて、戯曲の懐が深い。だからこそ、演出や役者がしたいことが大事になってくる。
渡邊:なんか、緊張してきた。
小谷:出演が決まった時はどう思った?
渡邊:ヘレナみたいな役をやってみたかったから凄い楽しみだった。ハーミアを誰がやるのか気になって、まひろかー! って感じでした。
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―平体さんは配役を聞いてどうでしたか?
平体:去年の今頃、配役を旅公演中に聞いて。
奥田:そうそう。俺も一緒に旅公演中でオーディション受かったって話してて、
平体:それで彰男さん(中村彰男)がパックって聞いて盛り上がった。
奥田:彰男さんの、パックはメチャクチャ楽しみだよね。
平体:叫んだよねー。

―皆さん鵜山さん(鵜山 仁)演出は初めてですか?
渡邊:私は『女の一生』(2020年)でご一緒したことはあります。
奥田:真砂珠以外は初だよね。

―鵜山さんの演出作品に出演ということで心境はいかがですか?
奥田:1番の楽しみは先輩方がよく言う、ダメ出しの仕方というか鵜山語録を実際に浴びてみたいですね。公演情報に書いてあるメッセージも壮大ですよね。
池田:この前の五戸さん(五戸真理枝)の祝賀会(読売演劇大賞の最優秀演出家賞を記念した祝賀会)で鵜山さんと今みたいな雰囲気で『夏の夜の夢』どうですかねーって話したら、凄い笑顔で「どうなるかなー?」って言われたけど、笑顔は素敵だけど怖くも感じた。
渡邊:私もこの前話した時に、ニコニコした笑顔で「僕がどれだけ考えてないかわかるでしょ?」って言われて、怖くなりました。
奥田:だから自分で考えて来なさいよってことだよね。
池田:良い笑顔だったなー。
平体:怖いねー。楽しみだねー。
一同:頑張って行きましょう!


(文・構成:谷口邦明 インタビュー・構成:梶原 優)